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経営計画・事業計画

経営理念が浸透しない理由を解説!浸透させる方法も紹介

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塩谷宣弘
この記事の監修者
Actvision税理士事務所
塩谷 宣弘 ( しおたに のぶひろ )
1981年11月生まれ、大阪府豊能郡在住。大学卒業後、「KPMG税理士法人」に勤務し、その後父親の事務所である「税理士法人SHIOTANI KAIKEI」の代表社員として所属。2014年8月に「Actvision税理士事務所」として開業。

「時間をかけて経営理念を作ったのに浸透しない」「経営理念を体現したいのにかけ離れている」という悩みを抱えている企業は、実は少なくありません。せっかく作った経営理念が浸透しないのには、どのような理由があるのでしょうか。
ここでは、経営理念が浸透しない理由についてわかりやすく解説しています。浸透させるための方法についても紹介していますので、現在経営理念を浸透させたいと考えている方はもちろん、これから経営理念の策定に取り組む経営者の方にとっても参考となる内容となっています。

目 次 arrow

経営理念が浸透しない4つの理由

経営理念が浸透しない主な理由について、以下にピックアップして解説します。

経営理念と実際の社風に相違がある

経営理念を作っても「会社のパンフレットやホームページに掲載しているだけの綺麗ごと」という認識されてしまう場合があります。
特に、経営の見直しをかけて新たに経営理念を策定した場合、理念として掲げた内容と実際の社風が大きく相違していれば、社内では「経営理念は理想を描いているだけだ」と捉えられてしまうでしょう。

共感を呼ぶためのブラッシュアップが足りていない

経営理念と実際の社風が乖離していても浸透しにくくなりますが、経営方針に沿っていても、共感が得られなければモチベーションアップに繋げることは難しいでしょう。
経営者のワンマンな考えが前面に出ていて社員の将来性が考慮されていない、または現状社内で課題となっている点について改善されないなど、多くの人から共感を得るためのブラッシュアップが足りていない可能性もあります。

経営理念を作っただけで満足してしまう

経営理念を作って自社のサイトや概要などに載せても、以後内容に言及することがなければ社内では忘れ去られてしまいます。
経営者がどれほど自身と向き合い、日々の実務に追われながら時間を作ってまとめた経営理念でも、伝える努力を怠れば浸透させるのは難しいでしょう。

経営理念の中身が間違って伝わっている

経営者や企業の方向性、価値観や使命など、重要であるにも関わらず感覚的でわかりにくい部分について言語化し、共有しやすくするのが経営理念です。しかし、わかりやすく言語化したとしても、個々によって解釈に違いが生まれる可能性は否めません。
「経営理念を熟読するように」と伝えても、各自に読み解くだけでは、間違った解釈や受け取り方をしてしまうケースも出て来るでしょう。
理念に対する理解度は、個人の経験や性質、知識によっても左右されます。例えば「顧客に寄り添うサービス」を理念として掲げても、何でも顧客の言いなりになるのが良いわけではない、ということが理解できない社員がいる可能性もあるわけです。

経営理念を浸透させるポイント6つ

経営理念を浸透させるためのポイントについて解説します。

会社の現状も考慮して作成する

経営理念を作る際に、会社の現状と大きく異なる内容にしてしまうと、社内外で共感を得ることが難しくなってしまいます。現状を大きく変えたいのであれば、現状会社がどういった状況にあり、そこからどのような方向へと進んでいきたいのかを表明しましょう。
また、現状の課題に目を向けるだけでなく、社内の評価すべき点も加味してすり合わせを行います。

必要に応じて専門家のアドバイスを受ける

経営の存在意義や価値観、事業における使命など、経営理念では経営者が自身の思いとじっくり向き合って作ることとなります。
自分の言葉や表現を使って作ることが大切ですが、矛盾や齟齬がないか、他に適切な表現がないかなど、細かな部分は必要に応じて専門家からアドバイスを受けた方が良い場合もあるでしょう。
経営理念、経営計画作成講座など、経営者向けのセミナーや経営塾へ参加することで、ポイントを押さえた経営理念が作成でき、なおかつアドバイスを受けることも可能です。
経営塾は各種コンサルティング会社や金融機関主催のものなどありますが、経営コンサルティングの実績が豊富な税理士が主催する経営塾なら、キャッシュフローから節税対策、資金繰りといった経営に欠かせないお金の流れも相談できるためおすすめです。

そもそも浸透しづらいものと理解する

企業や団体の人事に関する研究機関であるHR総研が調査した2013年のデータによると、webアンケートに回答した117社のうち半数以上が「企業理念が浸透していない」と感じていることがわかっています。
また、3分の1にあたる企業は理念を浸透させるための施策を講じておらず、施策を講じている企業の内容もパンフレットやカードの配布に留まっているようです。
こうしたことから、経営理念は浸透させる努力をしなければそもそも浸透しづらいものであると考えた方が良いでしょう。

繰り返し共有する

策定した経営理念はホームページやパンフレットなどに掲載するだけでなく、社長の言葉として繰り返し話題に上げ、共有することが浸透させるための重要なポイントです。
会議やミーティングを重ねても、社員によっては他に気になる案件を抱えていたり、家族やプライベートのトラブルに関わっていたりすることも考えられます。単純に疲れていてぼんやりしている、寝不足で眠いという場合もあるでしょう。直近の仕事に関わる話題であれば集中できても、経営理念の話となるとつい聞きそびれてしまう、というケースは少なくありません。
「10回言い続けてやっと少し浸透したかどうか」という位の感覚で、折に触れて経営理念に言及していきましょう。ポジティブで明るい将来が予想されるような内容であれば、社内のモチベーションにも良い影響を与えることが可能です。

経営理念を反映した営業活動や行動になるよう促す

接客や営業、開発など、全ての部署において実務をする上で経営理念を反映した内容となるように促すことも大切です。例えば「持続可能な製品の提供」を理念に掲げるのであれば、商品開発や購買、店舗内装など、多様なシーンに反映させることができます。
こうした反映が成功したら業務上での評価に繋げる、といった仕組みを作ることで、会社全体に経営理念が浸透しやすくなるでしょう。

経営者自身が成長することも大切

経営理念について、社内外で「伝わるように伝える」ためには、経営者自身が社員とのコミュニケーションや組織作りなどに関するスキルをアップすることも必要です。
経営理念は、事業戦略や長期経営計画など、経営の軸を固める策定の中でもコアな部分となります。経営理念をしっかりと作り込み、明確に会社の将来が描けるようになることで、社長と社員が一丸となって成長し、最終的には良い事業、良い企業へと成長できるでしょう。

まとめ

経営理念が浸透しない理由には、作っただけで伝える努力をしていない、会社の実情とかけ離れた理念となっている、共感を得にくくブラッシュアップが足りないといった点が挙げられます。経営理念は、作っただけでは自然と広まることはなく、策定した経営者自身が繰り返し伝え続けることで少しずつ浸透していくものだからです。
経営理念に基づいた行動は評価し、経営者自身もコミュニケーションや事業戦略の立て方などを学び続けることで、良い企業へと成長できます。必要に応じて経営塾へ参加したり、専門家からアドバイスを受けたりするなどして、将来の見通し明るい息の長い会社経営を目指していきましょう。

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