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経営理念とは?企業理念との違いや意味をわかりやすく解説!

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塩谷宣弘
この記事の監修者
Actvision税理士事務所
塩谷 宣弘 ( しおたに のぶひろ )
1981年11月生まれ、大阪府豊能郡在住。大学卒業後、「KPMG税理士法人」に勤務し、その後父親の事務所である「税理士法人SHIOTANI KAIKEI」の代表社員として所属。2014年8月に「Actvision税理士事務所」として開業。

大手企業はもちろんのこと、近年では新しく設立された会社や規模の小さな企業でも、経営理念を定めるところが増えてきています。何となくのイメージはあっても、具体的に経営理念とはどういったもので、どんなことを定めれば良いのかわからない方も多いことでしょう。
ここでは、経営理念とはどのようなものなのか、企業理念やミッション、ビジョンなどとの違いや、経営理念を定める意味やメリットなどについてわかりやすく解説しています。

目 次 arrow

経営理念とは

経営理念とは、企業が活動していく上での考え方を示すものです。方向性や価値観、経営者の思いなどが含まれ、どのような活動をする企業であるかが、経営理念でわかるようになっています。

経営理念と企業理念との違い

経営理念と並び、企業理念もよく耳にする言葉です。企業理念も経営理念と同じ意味で使われることもありますが、厳密な部分では異なるものです。
経営理念が会社の経営をするにあたって基本となる理念であるのに対して、企業理念では、企業そのもののあり方や存在意義などが定められます。企業理念は、その会社がなくなるまで変わることはありませんが、経営理念は経営者の交代によって変わる可能性があるものです。
経営理念は、企業理念の中に含まれる経営上の基本方針ということもできるでしょう。

経営理念とMVVとの違い

同じく、経営理念を見る上でよく聞かれる言葉に「ミッション(Mission)・ビジョン(Vision)・ヴァリュー(Value)」があります。この3つはそれぞれの頭文字を取って「MVV」とも呼ばれるものです。
ミッションは、日本語翻訳すると「使命」となり、その企業が果たすべき使命や成し遂げるべきことなどについて言及されます。
ビジョンは企業の将来的な構想や理想、目標といった未来のイメージのことです。「将来像」や「目標」と訳される場合もあります。
ヴァリューでは、企業で働く社員が行動を判断する際の価値基準、判断基準です。「信念」と訳される場合もあります。
経営理念が企業理念に含まれるのに対し、MVVは経営理念の中に含まれるものといえます。MVVは社内では社員一人ひとりのモチベーションや組織力の向上に役立ち、社外では新規のビジネスパートナーや顧客獲得の可能性を広げることが可能です。こうした理由から、経営理念や企業理念を作ることが近年推奨されています。

経営理念を作る意味とは

経営理念がなくても、会社経営を続けることはもちろん可能です。経営理念や企業理念を作っていない会社も多く存在しています。経営理念を作ることには、どのような意味があるのでしょうか。

経営の軸を設定して「ブレない経営」を実現できる

経営理念を考える際「何のために経営しているのか」「最終的にどうなるのが目標か」といった、会社経営にとって軸となる点を掘り下げることとなります。
普段の営業活動では、なかなか意識に上らない部分であるため、経営の軸について何となくのイメージはあっても言語化していなかったり、忘れがちになったりしてしまう部分でもあるでしょう。
経営の軸を設定することで、日々の業務から大きな決断まで、何事にもブレない経営を目指すことが可能となります。経営者だけでなく、社員も意思決定や行動をする際の指針とできるため、思い違いや決定上のミスやリスクも避けやすくなるでしょう。

社外からの信頼を得られる

経営理念を掲げることにより、社内の意思決定がまとまるだけでなく、社外からも経営に対する姿勢を表明できるため、信頼を得やすくなる点もメリットの1つです。
どのようなビジョンを持って提供しているのか、会社全体でどういった指針に基づいて行動しているのかといった点が経営理念で明確になっていると、同じサービスや製品を扱っていても共感や協力が得やすくなるでしょう。

人材の確保がしやすい

求人採用への応募者は、多くの場合会社の経営理念や企業理念、MVVなどについて確認するものです。そこに描かれた将来像や会社としての使命に共感し、経営活動を通じて社会貢献したいと考える優秀な人材を獲得しやすくなります。
採用時だけでなく、入社後も経営理念が浸透している企業であれば、迷った時や悩んだ時でも何を基準に考えれば良いかがはっきりとしているため、思い込みや企業への信頼を失って退職するといったリスクも回避しやすくなるでしょう。

仲間意識が生まれる

学生時代の部活動では「県大会出場」「ベスト4進出」といった、わかりやすい目標が提示され、そこに向かって全員が同じ思いで練習に励むこととなります。企業においては「地域密着型のサービス」「どこよりも丁寧なサポート」など、明確な指針を提示することで社員の思いを同じにし、1つの目標に向けて働く仲間意識が生まれやすくなるでしょう。

同業他社との差別化

同じようなサービス、製品を扱っている同業他社から1歩抜きん出て、他にはないオンリーワンとしてのブランド力強化や差別化を図る際にも、経営理念は重要な役割を果たします。
「安く提供しているのはなぜか」「品質を保ち続ける理由は何か」「こだわる理由は」などは、普段は見えにくい部分でしょう。しかし、こうした経営の軸となっている部分が見えることで、企業としての個性を打ち出すことができるのです。

経営理念の基本的な作り方について

経営理念を定めるにあたり、押さえておきたいポイントには以下のようなものが挙げられます。

経営者自身が作る

経営理念には、経営者の思いや熱意がしっかりと盛り込まれていることが重要となります。社内外で多くの人の心を動かすためにも、経営や事業と向き合って項目の軸となる部分を作りましょう。
細かな表現の修正やブラッシュアップは社員や専門家へ任せるのも良いですが、まずは自身の言葉でミッションやビジョンなどを決めていきましょう。

現状抱えている問題も考慮する

経営再建をかけていたり、現状に課題を感じていたりするような場合、悩みや不安の中で経営理念を作ることとなります。新規に会社を設立して経営理念を作る場合よりも、理想や使命、社会貢献といった部分について考えるのが難しく感じる場合もあるでしょう。
しかし、現状の問題が見えているからこそ、絵空事ではないリアルな経営理念を作れるというメリットもあるのです。
課題や問題を解決し、息の長い経営を続けるために、起業して一定期間経過してから経営理念の策定に取りかかる企業も珍しくありません。

1人で作るのが難しい場合は経営塾やセミナーを活用する

同業他社の経営理念の比較検討や、現状の課題や社内での意見、自身の理想と現実など、経営理念を完成させるまでには、思った以上に多くの振り返りやリサーチといった時間と労力が必要となります。
通常の営業活動の合間を縫って進めようとすると集中できなかったり、迷いが生じたりして、1人の力では難しいと感じるでしょう。その場合は、セミナーや経営塾に参加してみるのもおすすめです。
経営理念策定の時間を区切って作り方を学び、専門家のアドバイスなども受けられるため、
効率良くポイントを押さえた経営理念や企業理念を作ることができるでしょう。

まとめ

経営理念とは、企業理念の中で経営に関するビジョンやミッション、ヴァリューなどを示す指針のようなものです。経営理念を作ることで社内外から共感を得やすくなり、優秀な人材確保や同業他社との差別化も実現可能となります。良い経営理念を作るにはしっかり経営者が経営と向き合うこととなるため、経営塾やセミナーなども活用しながら、効率良く策定するのが良いでしょう。

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