経営会議とは文字通り経営について行う会議ですが、うまくいく進め方やポイントを押さえて行うのはなかなか難しいものです。「時間ばかりかかってまとまらない」といった経験や「そもそも経営会議と称して会議を開いたことがない」という経営者も多いのではないでしょう。
そこで、ここでは経営会議の基本的な進め方やうまく進まない理由などについてわかりやすく解説しています。経営会議を成功させるためのポイントについても紹介していますので、経営戦略や経営方針を策定する際の基礎知識としてもお役立てください。
経営会議とはどのような会議で、誰がどんなことについて話し合うのかといった概要について解説します。
経営会議とは、企業の現状について報告し、今後の目標や課題、計画や戦略などについて話し合う場をさします。
経営会議へ参加するメンバーは、経営者を含めた会社役員など、企業の上層部が参加するのが一般的です。
経営会議を行う目的としては、現在企業が置かれている状況について、社長を含めた企業トップが情報を共有することと、経営状況をより良いものにするための意思決定を行うことがメインとなります。
各自が異なる部署を管轄している場合はそれぞれの現状を話して共有します。中小企業で特に管轄を分けていない場合でも、情報共有は大切です。同じ方向を向いていても、それぞれ異なる視点から見た現状や課題を話し合うことで、新たな発見や気づきが得られる可能性があります。
現状の報告と課題・問題の発掘、改善方法の提案や将来の展望、経営計画などがまとまれば、企業経営にとってかなり有意義な会議となります。
上手に進めれば非常に意義のある経営会議も、以下のような理由からうまく進まないケースが少なくありません。
中小企業では、社長と役員の間柄がフレンドリーで立場上の垣根がない場合も少なくありません。フランクにリラックスして意見交換が行えるメリットがある一方で、なあなあの雰囲気の中まま会議が終わりがちなデメリットもあります。
ワンマン経営の社長がいる企業にありがちなのが、発言権の強さに差があり過ぎる場合です。会社を立ち上げて経営理念を作り、強い思いで営業活動を行っていると、何でも1人で決めてしまいそうになります。
他の役員が「どうせ社長が決めてしまうから」と諦めてしまうと、積極的に会議で発言しないイエスマンばかりになってしまうでしょう。
経営会議で取り上げたいテーマや内容をしっかりと決めずに、何となく会議と称して集まった場合も、まとまりにくいケースが多いものです。
数値を用いた現状報告などは、事前準備をしないと正確な報告が難しい場合もあります。問題点や改善方法、将来の展望など、会議を進めるにあたっての構成が決まっていないとグダグダになる可能性があるでしょう。
それぞれに時間を調整して集まっても雑談や無駄話に時間を使い、中途半端なところでお開きとなってしまうのは、とても勿体ないことです。
企業のトップが貴重な時間を割いて集まる経営会議は、短時間で効率良く有意義にまとめるのが望ましいでしょう。経営会議を成功させるための基本的な進め方は、以下を参考にしてみてください。
経営会議を開く前に、どのようなテーマについて話し合うかを決めておくことが大切です。「現状の各店売上報告と新規出店計画について」「決済システムの更新状況と問題点、改善方法について」など、その会議で必ずまとめたい件については議題を作り、どのような流れで進めるかを進行表にして周知するようにしましょう。
全体の構成と準備が必要な書類なども伝えることで、効率良く会議を進めやすくなります。
経営会議は、企業の経営方針や戦略など、方向性を決める重要な会議となります。部長クラスまでの参加でも、組織体系によっては数十名となってしまう場合もあるでしょう。
あまり参加人数が増え過ぎてしまうと、重要な議題をまとめることは難しくなります。部門ごとに区切って開催する、本部長など上層部に絞って行い、後日各部署へ通達するなどして、会議への参加者は厳選するようにしましょう。
会議時間が無駄に延びるのを防ぐため、タイムキーパーや議長として会議を進行してくれる社員を配置するようにしましょう。議長はその都度社員間で交代制にして務めるようにすると、進行を管理する労力が共有されるのでおすすめです。
時間を守らずタイムキーパーが困ることのないように、効率良く進めること、有意義な意見交換をしつつ、時間通りに終了することなどを表明し、参加者全員が協力して会議に参加するようにしましょう。
経営会議の構成を決める際、テーマごとの所要時間と到達したい目的も明確にしておくと、より効率的に会議を進めることが可能です。
会議で出た意見や提案は議事録として、後日確認できるように書面でまとめておくとよいでしょう。
議事録をチェックすることで、聞き逃していた意見を発見したり、自身の提案を客観的に見たりすることができます。後日実際の行動へ移す際にも、内容を議事録にまとめておくと、思い違いなどを避けることが可能です。
経営会議で注意するべきポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
・定期的に開催する
・実行後のフィードバックを行う
・参加していない社員への周知を徹底する
・議長はスムーズな進行を心がける
「経営会議は年に数回程度しか開かない」「そもそも経営会議をしたことがない」という企業も決して少なくはありませんが、経営会議で決めた内容を実行し、そのフィードバックを共有する目的があるなら、毎月など定期的に開催した方がよいでしょう。
こまめに経営会議を行うことで、参加者を厳選しても次回の会議に呼ぶことができます。会議で決まった重要事項については、参加していない社員へも必ず周知の上、全員で共有することが大切です。
また、議長を務める場合には、会議が和やかに進み、意見が出しやすい雰囲気を作るスキルがあることが望まれます。
経営者自身もファシリテーターとしての振る舞いやマネジメント、社員とのコミュニケーションなどについて学ぶのもよいでしょう。経営塾や経営セミナーでは、戦略の立て方と併せて、経営会議に必要なスキルを学べるものもあるため、参加してみるのもおすすめです。
経営会議とは、企業の現状や方向性、課題や計画などについて話し合う会議のことです。社長や役員など、企業上層部が集まって行うのが一般的ですが、しっかりと会議の構成や所要時間、テーマなどを決めずに始めると、うまくいかない場合が多いものです。
経営会議を成功させるには、アジェンダを決めて議長やタイムキーパーを配置し、構成やテーマを事前周知した上で参加者を厳選して行うのがよいでしょう。毎月などこまめに行い、フィードバックも行う、議長は交代制にして進行の負担を共有するといった方法もおすすめです。