企業にとって人材は、資産であり、財産です。そのため、優秀な人材であればあるほど人材は会社の宝「人財」になります。人材を採用し、自社の人財になってもらうためには入社から1週間をどう過ごすかが勝負になってきます。では、入社してから1週間の間、人財を育てるためには会社は何をすべきなのでしょうか。
今回は、人財育成のために入社1週間で会社がすべきことについてご説明します。
新しく採用された人は、期待を持って緊張しながら出社初日を迎えることでしょう。多くの人は、新しい会社に対して、人間関係はうまくいくか、仕事についていけるだろうか、職場の雰囲気に馴染めるだろうかと不安を抱いています。新しい職場に対する不安を抱く時期は、入社初日はもちろん、入社から1週間までの間に感じることが多いのです。
早期に退職をする人の多くは、入社後1週間程度で転職が成功したのかどうかを判断しています。入社から1週間という時間の中で自分が長くいるべき場所なのか、長くいるべき環境なのかを判断されてしまうのです。ここは自分にふさわしい場所ではないと判断されてしまえば、1週間では辞めない場合であっても、熱を持って仕事に向かうケースはほぼないといってよいでしょう。
したがって、入社から1週間の間に会社の魅力を伝え、会社が新しい人材に期待し、能力が十分に発揮できる環境を用意していることを示すことが非常に重要になります。人財育成をするのであれば、入社から1週間の間に企業としての魅力や仕事の魅力、職場環境の魅力を伝え、長く働きたいと思える会社であることをアピールする必要があるのです。
人財育成をするうえで大切なポイントは2つあります。それは企業としての考え方を適切に伝えること、そしてもう1つは新しく入社した社員に能力が発揮できる場所であることを示すことです。
将来的に自社を担うような人財を育成するには、まず、自社の考えを理解してもらわなければなりません。企業理念や創業からの歴史、大切にしている考え方などをしっかり伝えましょう。ただし、一方的な研修内容になってしまうと、講義を受けているようであまり企業の魅力を伝えきれない可能性もあります。企業理念などを話す際には、双方向のコミュニケーションを心掛け、会話をしながら、理解を深めるような工夫が必要になります。
若い世代は特に、仕事を続けていくうえの判断基準として自分はこの会社で何ができるのか、この会社が自分に合っているのだろうかという観点を重視する傾向にあります。
新しく採用した社員のどのような点に期待をしているのかを理由とともに、社員に採用の理由を伝えるとよいでしょう。また、困ったときや悩んだときにはどうすればよいか、会社として入社間もない人材を支えていく体制を用意している点も忘れずに伝えるようにしましょう。
入社1週間ですべき研修と注意すべきこととは
入社して1週間は、研修期間になるでしょう。この研修期間ですべきことと注意したいことをご説明します。
前述したようにまずは、新しく入った社員に企業理念や経営方針など、会社の基本的な考えを伝えましょう。このとき、担当する業務の重要性や自身の役割を知れるように、企業理念や会社の考え方が今後担う業務にどのように関連していくのかを理解できるように伝えることが大切です。
就業規則を元にしながら就業時間や休憩時間の取り方など、社内の基本的なルールを伝えましょう。また、業務の進め方など、業務上のルールについても具体的に伝えるようにします。電話対応の方法についても、職場が変わればルールが変わるはずです。元から働いている人にとっては当たり前のことも、新しく入る人にとっては初めてのことである可能性もあります。
早く会社に馴染んでもらうためには、職場のルールや業務上のルールを最初に伝えておくことも大切です。
入社したばかりのころは、分からないことが多くてもそれは当然であり、心配する必要はありません。しかし、忙しそうな雰囲気であったり、静かすぎる雰囲気であったりすると、気軽に分からないことを相談できない可能性もあります。コミュニケーション不足は相手に不安を与えるだけです。研修中は積極的に話しかけ、分からないところがないか確認するようにしましょう。
OJTを受ける際に、緊張などから失敗してしまう可能性もあります。初めての仕事や慣れない業務であれば、だれでも失敗はするはずです。入社から1週間もしないうちに失敗を責められるようでは、将来が不安になってしまうでしょう。入社1週間のうちに何かミスをしてしまった場合の責任は、研修する側にもあります。伝え方に問題があったのか、理解しにくい説明をしてしまったのかも考え、より初めての人にも伝えやすい方法を考えるようにしましょう。
入社から1週間の大きな目標は、会社に慣れ、人に慣れてもらうことです。この1週間は不安を抱えながら入社した人が、この会社なら頑張っていけそうだと、入社初日までに抱えていた不安を溶かすための時間だと考えましょう。
これから働く会社に不安を抱いたままの状態では、十分なパフォーマンスは発揮できず、そのような状況は人財を育成できる環境ではありません。人財を育成するためにはまずは会社を信頼してもらい、会社を好きになってもらうことが大切なのです。
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人財を育成するなら入社から1週間が勝負になることをお伝えしました。新しく入る社員は、不安と緊張、そして期待を抱きながら入社をします。まずは、会社がどのような考えで事業を営み、そのうえでこれから担当する業務がどのような役割を果たすのかを伝えたうえで、新しい社員に期待する点を分かりやすく伝えるようにしましょう。
入社後1週間の間に、会社にとって自分は必要な存在であり、情熱を注いで仕事をするに値する価値を持った会社であることを理解してもらうことが大切です。会社に、そして担当する業務に誇りを持てるかどうかが、会社の将来を担う人財を育成するうえでの重要なポイントであるといえます。